ディープインパクト



ディープインパクト
生年月日 2002,3,25
性別
毛色 鹿毛
生産地 北海道早来
生産者 ノーザンファーム
馬主 金子真人
調教師 池江泰郎
競争成績 14戦12勝
重賞勝ち鞍等 皐月賞・日本ダービー・菊花賞・天皇賞(春)・宝塚記念
ジャパンカップ・有馬記念
弥生賞・神戸新聞杯・阪神大賞典
獲得賞金


レース名 年月日 競馬場 人気 着順 騎手 距離 馬場 タイム 着差 1着(2着)馬
新馬 2004/12/19 阪神 - 1 1 武豊 T2000 2.03.8 4馬身 (コンゴウリキシオー)
若駒S 2005/1/22 京都 OP 1 1 武豊 T2000 2.00.8 5馬身 (ケイアイヘネシー)
弥生賞 3/6 中山 GU 1 1 武豊 T2000 2.02.2 (アドマイヤジャパン)
皐月賞 4/17 中山 GT 1 1 武豊 T2000 1.59.2 2.1/2馬身 (シックスセンス)
日本ダービー 5/19 東京 GT 1 1 武豊 T2400 R.2.23.3 5馬身 (インティライミ)
神戸新聞杯 9/25 阪神 GU 1 1 武豊 T2000 1.58.4 2.1/2馬身 シックスセンス
菊花賞 10/23 京都 GT 1 1 武豊 T3000 3.04.6 2馬身 アドマイヤジャパン
有馬記念 12/25 中山 GT 1 2 武豊 T2500 2.32.0 1/2馬身 ハーツクライ
阪神大賞典 2006/3/19 阪神 GU 1 1 武豊 T3000 稍重 3.08.8 3.1/2馬身 (トウカイトリック)
天皇賞(春) 4/30 京都 GT 1 1 武豊 T3200 R.3.13.4 3.1/2馬身 リンカーン
宝塚記念 6/25 京都 GT 1 1 武豊 T2200 稍重 2.13.0 4馬身 (ナリタセンチュリー)
凱旋門賞 10/1 ロンシャン GT 1 失格 武豊 T2400 2.26.4 3/4馬身 レイルリンク
ジャパンカップ 11/26 東京 GT 1 1 武豊 T2400 2.25.1 2馬身 (ドリームパスポート)
有馬記念 12/24 中山 GT 1 1 武豊 T2500 2.31.9 3馬身 (ポップロック)

サンデーサイレンス

Sunday Silence

1986 / 青鹿毛
Halo

1969 / 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well

1975 / 鹿毛
Understanding Promised Land
Promised Land
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
ウインドインハーヘア

Wind in Her Hair


1991 / 鹿毛
Alzao

1980 / 鹿毛
Lyphard Northern Dancer
Goofed
Lady Rebecca Sir Ivor
Pocahontas
Burghclere

1977 / 鹿毛
Busted Crepello
Sans le Sou
Highclere Queen's Hussar
Highlight


ディープインパクト種牡馬成績 (代表産駒)
代表産駒 主な勝ち鞍等
- - -

ディープインパクト兄弟 (代表兄弟)
兄弟 主な勝ち鞍等
レディブロンド(半姉) スプリンターズステークス(4着)
ブラックタイド(全兄) スプリングステークス

ディープインパクト

単勝1.1倍、圧倒的1番人気に推された新馬戦を楽勝。続く若駒ステークスでも単勝1.1倍の人気に応え楽勝し、春のクラシックに向けて充電に入ったディープインパクト

3歳初戦は弥生賞から始動し、素質馬が揃う中、単勝1.2倍の圧倒的1番人気に支持され、着差こそクビ差でしたが、内容は完勝で、クラシック第1弾の皐月賞に向かいました。

皐月賞でも単勝1.3倍と、ファンはスーパーホース誕生を期待しました。しかしスタート後いきなり躓き、最後方からのレースとなったディープインパクト。4コーナーでも手応えが怪しくなり、ここで鞍上武豊はデビュー以来始めて鞭をいれると、そこからはディープインパクトの独壇場でした。直線に入ると、桁違いの末脚で他馬を一方的に突き放し、最後は武豊が抑える余裕の競馬で、1冠目の皐月賞を制しました。

「走っていると言うよりも、飛んでいる感じ」レース後のインタビューで、数々の名馬に騎乗してきた武豊が興奮気味に話し、記念撮影では「まず1冠」と、人差し指を上げてファンに応えました。

日本ダービーへは、予定通り皐月賞から直行し、単勝1.1倍の圧倒的1番人気。さらに単勝支持率73.4%は、32年前にハイセイコーが記録した66.6%を上回り、日本ダービー史上最高の支持率を集めレースを迎えました。

日本ダービーではスタートで出遅れ、皐月賞同様後方からの競馬を余儀なくされたディープインパクト。それでも鞍上・武豊はあわてず徐々に進出して行き、直線に向かいました。内ラチ沿いの経済コースを抜け出したインティライミ。一方大外から豪快な、桁違いの末脚で迫るディープインパクト。一時はインティライミがそのまま粘り切るかと思われましたが、ディープインパクトが残り200mで並ぶまもなく交わすと、後は一方的に突き放す圧勝劇!桁違い!化け物!物が違いすぎる!結局2着インティライミに5馬身差を付け、去年キングカメハメハが叩き出した2.23.3の日本ダービータイレコードで圧勝。記念撮影では武豊が2本の指を高々と上げ、ファンに応え、レース後のインタビューでは「感動しながら馬を追ったのは始めての経験」と語りました。

夏を栗東で過ごしたディープインパクトは、3冠制覇のステップとして王道の神戸新聞杯から始動。単勝1.1倍の圧倒的人気に支持され、直線だけの競馬で、皐月賞2着、ダービー3着のシックスセンス以下を2馬身以上突き放す完勝!順調。3冠制覇へ向けて死角は見当たりませんでした。

そして迎えた菊花賞。断然の1番人気に支持されたディープインパクトの単勝はなんと“1.0倍”。菊花賞の単勝支持率としては昭和38年メイズイの83.2%(6着)に次ぐ79.03%の高い支持を得ました(菊花賞馬としては史上最高支持率)。しかしはじめての距離に戸惑ったのか、スローペースに我慢できなかったのか、ディープインパクトはスタート直後からかかり気味、いや完全に折り合いを欠いていました。後に競馬関係者のほとんどが、ディープインパクトは消えたと、思ったそうです。

しかし、やはり化け物なのか?完全に折り合いを欠いていたディープインパクトと武豊でしたが、直線に入るといつもの豪脚炸裂!上がり3ハロン33.3秒の鬼脚で他馬を圧倒的力でねじ伏せ、いつものように“飛んで”いるように末脚を伸ばし完勝!3冠制覇は1994年のナリタブライアン以来11年ぶり史上6頭目、無敗の3冠制覇は1984年のシンボリルドルフ(8戦8勝)以来21年ぶり史上2頭目の快挙でした!ちなみにクラシックレースでは、昭和32年ミスオンワードの桜花賞が単勝100円で、これ以来史上2度目のことでした(戦前は単勝払戻システムが異なるので除く)。

レース後武豊は
「最高です!レース中はこの馬の走りをさせようと気持を集中させました。頭のいい馬でゴールを覚えており、1周目でスパートしそうになり、力んでロスしてしまいました。それでも勝ってくれるのは本当にすごい馬です。向正面からはいつもどおりの彼の走りが出来ました。残り600mでゴーサインを出したら、また飛びましたね!」

3冠を制したはディープインパクトは、ジャパンカップではなく、有馬記念へ向かうこととなり、ナリタブライアン以来の4冠制覇を目指し調整されました。有馬記念のファン投票では16万297票で圧倒的人気はあいかわらずでした。

初めての古馬との対戦。去年秋G13連勝したゼンノロブロイ、ジャパンカップ2着、未完の大器ハーツクライ、不気味な去年の菊花賞馬デルタブルースなど、そうそうたるメンバーが揃う中、ディープインパクトは単勝1.3倍(支持率62.6%)の支持を受けました。

レースはタップダンスシチーが引っ張る中ディープインパクトは後ろから2頭目でレースを進め、3コーナー過ぎから馬なりで上がっていき、直線へ向かいました。手応えは抜群のように思えましたが、いつもの爆発的な末脚は見られず、結局先行した、いつもなら後方からレースを進めるハーツクライを捉えきれず1/2馬身差の2着惜敗。それでもディープインパクトはメンバー最速の上がり3ハロン34.6秒の末脚で面目は保ちました。

レース後、厳しい表情の武豊は 
「最後の伸びがいつもと全然違っていた。飛ばなかった。普通の走りだった。なぜかは分からない・・・」。短い会見中、武豊は悔しそうに「分からない」と7度も繰り返しました。

年が明けて阪神大賞典を楽勝したディープインパクトは予定通り天皇賞(春)へ出走。有馬記念で敗れたハーツクライ不在の中、メンバーは明らかに小粒。“勝って当たり前”。単勝1.1倍。ここを勝って次は海外へ!!さまざまなプレッシャーがかかる中レースが始まりました。スタートで出遅れたディープインパクトでしたが3コーナー手前から馬なりで上がって行き、4コーナーでは早くも先頭へ!京都競馬場が大歓声で包まれる中、直線へ向かいました。1度2度武豊の鞭が入ると1頭異次元の走りで後続を完封!終わってみればマヤのトップガンが叩き出したレコードを1秒更新する快タイムで見事天皇賞(春)を制しました!

レース後武豊は
「ディープインパクトが、今日も空を飛んでくれました! 本当に素晴らしい走りで、世界中を探したって、ディープインパクト以上に走る馬が存在するとは思えません。天皇賞を勝ったばかりで気が早すぎるかもしれませんが、ボク自身の夢である海外のビッグレースの制覇を、この馬でやりたいと、いま気持ちがふつふつと盛り上がってきています。それほど、今日のディープインパクトは完璧でした。」と語り、いよいよ海外へ!

天皇賞(春)後は、直接海外へ行くことも検討されましたが、陣営は宝塚記念を選択。この宝塚記念でもまったく他馬を寄せ付けず4馬身差の完勝!そしていよいよ海外へ行くこととなりました。

陣営は凱旋門賞か、キングジョージのうち、どちらかを使うか迷いましたが、最終的には世界最高峰のレース「
凱旋門賞」に出走することを決断。そして8月末にフランスへ向けて出発し、順調に調整を重ね、いよいよレースを迎えました。

例年なら多頭数になる凱旋門賞ですが、この年は8頭と少頭数でのレースとなりました。日本からもツアーが組まれ、約5000人の日本人がディープインパクトを応援に駆けつけ、またNHK(地上波)では初めて凱旋門賞をライブで放送することとなり、日本でも注目の高さをうかがわせました。

そして迎えた凱旋門賞。いまだヨーロッパ所属のサラブレット以外は勝ったことがないというこのレースで、ディープインパクトは日本人が多く購入したためか、なんと単勝「
1.1倍の1番人気」でレースを迎えました。

ディープインパクトは好スタートから道中は2、3番手を追走。少しかかり気味でしたが、抜群の手応えでロンシャンの長い直線に向かいました。各馬が気合を入れる中、ディープインパクトはまったくの馬なり、「勝った!!」日本の誰もがそう思ったはずです。

そして残り400mで武豊がGOサインを出すと、一気に先頭に立ちました!「そのままーー!」。ここからさらに差を広げるのかと思いましたが、いつものように差が広がらない。さらには後続馬に差を詰められ残り200mで
レイルリンクに交わされると、最後はプライドにも交わされ3着敗戦。ディープインパクトの、そして日本の競馬ファンの夢は叶いませんでした。。

そして、凱旋門賞の約1ヵ月後、「
ディープインパクトの体内からフランスでは禁止されている薬物が検出されたため、3着入線したディープインパクトに失格の処分が下されました」。ただ。陣営に悪意があったわけではなく、不注意だったようです。

輝かしい実績に泥が塗られた格好となったディープインパクト。この年限りで引退、残すはジャパンカップと有馬記念で種牡馬となることが決まっており、予定通りジャパンカップへ出走となりました。

このジャパンカップでは去年の有馬記念で破れたハーツクライとの再戦となり、凱旋門賞での汚点を振り払うためにも負けるわけには行きませんでした。

ジャパンカップ史上稀に見る少頭数、11頭立てで行われたこの年のジャパンカップ。レース前からディープインパクトハーツクライの約1年ぶりの再戦として大きく盛り上がっていましたが、人気はディープインパクトが1番人気で130円。ハーツクライは2番人気で590円と、意外と?人気がディープインパクトへ集中していました。

そしてレースが始まりました。ディープインパクトはスタートでやや後手を踏み最後方からレースを進めましたが、3コーナー過ぎから徐々に進出し直線へ。直線に入ると、凱旋門賞では見られなかったいつものディープインパクトの末脚が炸裂し、2着のドリームパスポートに2馬身差を付ける完勝!凱旋門賞の鬱憤を晴らすと共に、やはり歴史的名馬であることを自身の力で証明しました。

迎えた引退レース「有馬記念」。中山競馬場には数日前から徹夜組が現れ、ディープインパクトの引退レースを一目見ようと前日から2,000人以上が列を作り、約12万人が中山競馬場へ駆けつけました。

単勝「120円」、デビューから14戦連続の1番人気はJRAの記録。

レースはいつも通り後方から。しかし4コーナー過ぎからいつものように馬なりで上がってくると、後は独壇場!あらためて性能の違いを見せ付ける3馬身差の快勝!引退レースで圧倒的力の違いを見せ付けてターフを去ることとなりました。

主戦ジョッキーの武豊は、「
プレッシャーはあったが、ディープがよく頑張ってくれた。2年間一緒に過ごせたことは本当に幸せだった。ファンの熱心な声援に力づけられた」と、語りました。

G1:7勝は、「シンボリルドルフ・テイエムオペラオー」と並び史上3頭目。

シンジゲート「
51億円」は、日本の競馬界では過去最高となりました(サンデーサイレンス20億円・ラムタラ44億円)。

デビュー前、サンデーサイレンスの小さい馬は走らないといわれていましたが、ディープインパクトは「450kg」にも満たない体ながら、歴史に名を刻む走りをみせました。

ディープインパクトの子供には父が果たせなかった世界制覇、「凱旋門賞」制覇を期待せずにいられません。


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