サクラバクシンオー |
父・サクラユタカオーは現役時代レコードを3度記録し、サクラバクシンオーもしっかりとそのスピード能力を引き継いでいました。 ダート:1200mでデビューしたサクラバクシンオー。デビュー戦からそのスピード能力を存分に発揮。5馬身差であっさり逃げ切りると、黒竹賞(芝:1600m)ではスタートで後手を踏み、2着に敗れましたが、3戦目の桜草特別(芝:1200m)でもスピードの違いで逃げ切り、皐月賞トライアル、スプリングステークスに向かいました。 スプリングステークス(芝:1800m)では、同じく快速馬で朝日杯3歳ステークス(現・朝日杯フューチュリティステークス)を制し、後の2冠馬ミホノブルボンと最初で最後の対戦。ハナを奪ったのはミホノブルボン、サクラバクシンオーは2番手からの競馬でした。しかしサクラバクシンオーにしてみれば重馬場が響いたか?それとも距離か?とにかく勝ったミホノブルボンから20馬身離された12着惨敗。この敗戦を機に陣営はクラシック出走を諦め、短距離路線へ進む事を決断しました。 スプリングステークス惨敗後、クリスタルカップ(芝:1200m)、菖蒲ステークス(芝:1400m)をスピードの違いで逃げ切り連勝。しかし続くニュージーランドT(芝:1600m)のマイル戦では7着に終わり、休養に入りました。 秋はマイル戦の京王杯オータムハンデ(芝:1600m)で古馬と初対戦し、差のない3着に健闘、次もマイル戦の多摩川ステークス(芝:1600m)を使いましたが7着。やはり距離か?秋3戦目のキャピタルステークス(芝:1400m)ではあっさり逃げ切り勝ち。マイル戦になるとどうしても詰めが甘いが、1400mまでならスピードの違いで押し切る。距離に壁があることはこの時点でハッキリしていました。 そしてスプリンターズステークス(芝:1200m)でGT初出走し3番人気に推されたサクラバクシンオーでしたが、同じく3歳馬(旧・4歳)で桜花賞を制したニシノフラワーの末脚の前に6着敗戦。この敗戦が生涯、最初で最後の1200m・スプリント戦での敗戦となりました。 スプリンターズステークス後、脚部不安から長期休養を余儀なくされ、復帰したのは、約10ヶ月ぶりのオータムスプリンターズステークス(芝:1200m)。久々からか、ハナを奪う事は出来ませんでしたが、好位から抜け出す力強い内容で復帰戦を飾りましたが、続くアイルランドT(芝:1600m)では苦手の重馬場が響いたか4着敗戦。しかし2年連続出走となったキャピタルステークス(芝:1400m)を快勝し、スプリンターズステークス(芝:1200m)に向かいました。 1番人気は天皇賞(秋)を制したヤマニンゼファーに譲りましたが、復帰後抑える競馬が板についてきたサクラバクシンオーは3番手から抜け出し、2着ヤマニンゼファーに2馬身1/2差付ける完勝!GT初制覇となりました。 その後休養に入ったサクラバクシンオーは、ダービー卿チャレンジT(芝:1200m)から始動し、快勝。今のサクラバクシンオーなら距離も克服してくれると考えた陣営は、安田記念(芝:1600m)出走に踏み切りました。 外国馬も参戦してきた中、日本馬の中では最上位の3番人気に支持されレースは始まりました。スピードにまかせてハナを切るのではなく、この安田記念でも好位を追走する競馬。そして4コーナーでは早くも先頭に立ち、直線に向かいました。しかしやはりサクラバクシンオーには、1600mのマイル戦は長かった。後方からノースフライトに並ぶ間もなく交わされると、4着に粘るのが精一杯。それでも勝ったノースフライトからは3馬身1/4差と、陣営にしてみればマイル戦でもやれる手応えは掴みました。 夏を休養に充てたサクラバクシンオー。秋は毎日王冠(芝:1800m)から始動。逃げ馬不在の中、サクラバクシンオーは久々にハナを切ると、開幕週の高速馬場をハイペースで飛ばしていきました。結果、次の天皇賞(秋)を制するネーハイシーザーから2馬身3/4差離された4着。ネーハイシーザーのレコードをお膳立てする結果となりました。 その後スワンステークス(芝:1400m)で、安田記念馬ノースフライト以下を完封。1分20秒を切る快レコードを叩き出し、マイルチャンピオンシップ(芝:1600m)に向かいました。 しかしマイル戦ではやはりノースフライトには敵いませんでした。好位から完璧にレースを進めたサクラバクシンオーでしたが、直線に入るとノースフライトの末脚に屈し、最後はフジノマッケンオーに迫られましたが、2着は死守し、引退レースとなるスプリンターズステークス(芝:1200m)に向かいました。 スプリント戦では負けられないサクラバクシンオーは、単勝1.6倍と圧倒的1番人気に推され、連覇のかかったスプリンターズステークスのゲートは開かれました。 快速馬が揃い、前半の1000mは55.2秒と殺人的なハイペース。そんな中、楽々4番手を追走するサクラバクシンオー。4コーナーを廻り、直線に入ると、当然のように先行馬の脚が止まり、満を持ってサクラバクシンオーが先頭に立ちました。しかし直線サクラバクシンオーに迫れる馬はいませんでした。しっかりした脚色で最後まで中山の直線を駆け抜けたサクラバクシンオー。叩き出したタイムは“1.07.1”の快レコード!2着以下を4馬身突き放す完璧な内容でスプリンターズステークスを連覇し、ターフに別れを告げました。 1400m以下では12戦11勝。しかしマイル戦では7戦0勝。その類稀なるスピードで1400m以下ではまさに敵無しだったサクラバクシンオー。その絶対的なスピード能力は産駒にも伝わり、すでに高松宮記念(芝:1200m)を制したショウナンカンプを輩出するなど、サクラユタカオーの後継種牡馬として、高い評価を受けている事は言うまでもありません。 |
サクラバクシンオー | |
生年月日 | 1989,4,14 |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
生産地 | 北海道早来 |
生産者 | 社台ファーム |
馬主 | (株)さくらコマース |
調教師 | 境勝太郎 |
競争成績 | 21戦11勝 |
GT勝ち鞍 | スプリンターズステークス(2回) |
獲得賞金 | 521,253,000円 |
レース名 | 年月日 | 競馬場 | 格 | 人気 | 着順 | 騎手 | 距離 | 馬場 | タイム | 着差 | 1着(2着)馬 |
新馬 | 1992/1/12 | 中山 | - | 2 | 1 | 小島太 | D1200 | 稍重 | 1.11.8 | 5馬身 | (マイネルトゥルース) |
黒竹賞 | 1/16 | 中山 | 500 | 1 | 2 | 小島太 | T1600 | 良 | 1.35.1 | 頭 | マイネルコート |
桜草特別 | 3/14 | 中山 | 500 | 1 | 1 | 小島太 | T1200 | 良 | 1.08.8 | 4馬身 | (ハヤノライデン) |
スプリングS | 3/29 | 中山 | GU | 3 | 12 | 小島太 | T1800 | 重 | 1.53.6 | 20馬身 | ミホノブルボン |
クリスタルカップ | 4/18 | 中山 | GV | 1 | 1 | 小島太 | T1200 | 良 | 1.08.6 | 3.1/2馬身 | (タイトゥルー) |
菖蒲S | 5/9 | 東京 | OP | 1 | 1 | 小島太 | T1400 | 良 | 1.22.8 | 1.1/4馬身 | (エーピージェット) |
ニュージーランドT4歳S | 6/7 | 東京 | GU | 3 | 7 | 小島太 | T1600 | 良 | 1.36.0 | 7馬身 | シンコウラブリイ |
京王杯オータムハンデ | 9/13 | 中山 | GV | 3 | 3 | 小島太 | T1600 | 良 | 1.33.0 | 1馬身 | トシグリーン |
多摩川S | 10/31 | 東京 | OP | 3 | 7 | 小島太 | T1600 | 良 | 1.33.5 | 3.3/4馬身 | キョウエイボナンザ |
キャピタルS | 11/28 | 東京 | OP | 1 | 1 | 小島太 | T1400 | 良 | 1.21.1 | 2.1/2馬身 | (ミスタートウジン) |
スプリンターズステークス | 12/20 | 中山 | GT | 3 | 6 | 小島太 | T1200 | 良 | 1.08.3 | 3馬身 | ニシノフラワー |
オータムスプリントS | 1993/10/2 | 中山 | OP | 2 | 1 | 小島太 | T1200 | 良 | 1.08.8 | 1/2馬身 | (フィールドヴォン) |
アイルランドT | 10/30 | 東京 | OP | 3 | 4 | 小島太 | T1600 | 重 | 1.35.5 | 6馬身 | イイデザオウ |
キャピタルS | 11/27 | 東京 | OP | 3 | 1 | 小島太 | T1400 | 良 | 1.21.2 | 1.1/2馬身 | (エアリアル) |
スプリンターズステークス | 12/19 | 中山 | GT | 2 | 1 | 小島太 | T1200 | 良 | 1.07.9 | 2.1/2馬身 | (ヤマニンゼファー) |
ダービー卿チャレンジT | 1994/4/3 | 中山 | GV | 1 | 1 | 小島太 | T1200 | 良 | 1.08.9 | 2馬身 | (ドージマムテキ) |
安田記念 | 5/15 | 東京 | GT | 3 | 4 | 小島太 | T1600 | 良 | 1.33.7 | 3.1/4馬身 | ノースフライト |
毎日王冠 | 10/9 | 東京 | GU | 4 | 4 | 小島太 | T1800 | 良 | 1.45.0 | 2.3/4馬身 | ネーハイシーザー |
スワンスタークス | 10/29 | 阪神 | GU | 1 | 1 | 小島太 | T1400 | 良 | R.1.19.9 | 1.1/4馬身 | (ノースフライトト) |
マイルチャンピオンシップ | 11/20 | 京都 | GT | 2 | 2 | 小島太 | T1600 | 良 | 1.33.2 | 1.1/2馬身 | ノースフライト |
スプリンターズステークス | 12/18 | 中山 | GT | 1 | 1 | 小島太 | T1200 | 良 | R.1.07.1 | 4馬身 | (ビコーペガサス) |
サクラユタカオー 1982 / 栗毛 |
テスコボーイ Tesco Boy 1963 / 黒鹿毛 |
Princely Gift | Nasrullah |
Blue Gem | |||
Suncourt | Hyperion | ||
Inquisition | |||
アンジェリカ 1970 / 黒鹿毛 |
Never Beat | Never Say Die | |
Bride Elect | |||
スターハイネス | Your Highness | ||
スターロッチ | |||
サクラハゴロモ 1984 / 鹿毛 |
ノーザンテースト Northern Taste 1971 / 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Lady Victoria | Victoria Park | ||
Lady Angela | |||
クリアアンバー Clear Amber 1967 / 黒鹿毛 |
Ambiopoise | Ambiorix | |
Bull Poise | |||
One Clear Call | Gallant Man | ||
Europa |
サクラバクシンオー種牡馬成績 (代表産駒) | ||
代表産駒 | 性 | 主な勝ち鞍等 |
ブランディス | せん | 中山大障害・中山グランドジャンプ |
メジロマイヤー | 牡 | 佐賀記念 |
ショウナンカンプ | 牡 | 高松宮記念・スワンステークス・阪急杯 |
エイシンツルギザン | 牡 | NHKマイルカップ(2着)・ニュージーランドトロフィー |
シーイズトウショウ | 牝 | CBC賞・函館スプリントステークス |
ロードバクシン | 牡 | 兵庫サラ三冠 |
タイセイブレーヴ | 牡 | 兵庫ジュニアグランプリ |
サクラバクシンオー兄弟 (代表兄弟) | ||
兄弟 | 性 | 主な勝ち鞍等 |
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