トウカイテイオー


トウカイテイオー

父は無敗で3冠を制した歴史的名馬シンボリルドルフ。その初年度産駒としてデビューしたトウカイテイオー

デビュー戦では不良馬場をものともせず4馬身差の圧勝。中2週でOP特別のシクラメンステークスに出走したトウカイテイオーは人気こそ3番人気でしたが、好位から危なげないレースぶりでデビューから2連勝を飾りました。

年が明け若駒ステークスから始動したトウカイテイオーは、ここでも2着以下を寄せ付けず完勝すると、続く若葉ステークスも2馬身差を付ける快勝、無傷の4連勝で皐月賞へ駒を進めました。

皐月賞では単勝2.1倍の堂々1番人気に支持され、大外18番枠をものともせず、いつも通りの競馬で、直線早目に先頭に立つと、後続を完封、あっさりデビューから5連勝でGTの皐月賞を制しました。

そして迎えた日本ダービー、大外20番の単枠指定。単勝1.6倍の圧倒的人気。しかしここでもトウカイテイオーの強さは群を抜いていました。抜群の手応えで直線に入ると後は独壇場!見る見るうちに後続との差を広げて行き、終わってみれば3馬身差の圧勝!父シンボリルドルフと同じく無敗で日本ダービーを制し、これまた父と同じく無敗の3冠馬の期待がかかりました。・・・しかしレース後骨折が判明。3冠どころか、長期休養を余儀なくされました。

約1年休養したトウカイテイオーは産経大阪杯で復帰すると、このレースから新たにコンビを組んだ岡部の手は最後まで動く事無く快勝。改めてトウカイテイオーのポテンシャルの高さを証明し、天皇賞(春)に向かいました。

初めての3200m。2強対決。それでもファンはトウカイテイオーを単勝1.5倍と1番人気に支持し、トウカイテイオーが負けるシーンは想像出来ないと誰もが思っていました。

岡部がトウカイテイオー「地の果てまでかけてゆきそうな馬」と語れば、一方メジロマックイーンの武豊も「天まで駆けてゆきそうな馬」と語り、世紀の対決の盛り上がりは最高潮でした。

トウカイテイオーはレースでもいつも通り好位からの競馬で、直線に向かいました。しかし直線に入っても岡部の鞭にまったく反応しないトウカイテイオー。ファンにとって見れば目を覆いたくなる惨敗。結局勝ったメジロマックイーンから10馬身離された5着に敗れ、デビューから続けてきた連勝も“7”でSTOPしました。敗因は距離か?それとも発表は良馬場でしたが、ボコボコした芝の馬場が合わなかったのか?しかしレース中に骨折していた事が判明。負けたのは骨折のせい。そう誰もが思いたくなる天皇賞(春)でした。

骨折は比較的軽いもので、秋には復帰したトウカイテイオー。復帰初戦は天皇賞(秋)となり、骨折休養明けにもかかわらず、ファンはトウカイテイオーを1番人気で迎え入れました。レースはメジロパーマーダイタクヘリオスがハイペースで飛ばし、そんな中トウカイテイオーはいつも通り好位から早めの競馬で直線に向かいました。しかしハイペースに巻き込まれたトウカイテイオーは、直線に入ってもまったく伸びず、7着に敗戦。いくらハイペース、骨折休養明けとはいえ、この不甲斐ない敗戦に、「トウカイテイオーはもう終わった。。」そんな声も聞かれるようになり、トウカイテイオーの株は急降下しました。

“5番人気”。デビュー以来最悪の人気となったジャパンカップ。しかしトウカイテイオーはまだ終わっていませんでした。中断からの競馬となったトウカイテイオーは、直線に入り、1頭1頭確実に交わして行き、最後は粘るナチュラリズムをクビ差、差し切り、鮮やかに復活!GT3勝目を上げ有馬記念では再び1番人気で出走しました。

岡部が騎乗停止で、田原に乗り代わったトウカイテイオー。しかしスタートで後手を踏んで後方からの競馬となったトウカイテイオーは、まったく見せ場を作れず11着惨敗。鮮やかに復活したかと思えば、不可解な惨敗でトウカイテイオーの評価も微妙なものになってきました。

年が明け、宝塚記念を目標に調整されていたトウカイテイオーは3度目の骨折に見舞われ春を全休。再び休養に入ることとなりました。

そして復帰したのは1年ぶりの有馬記念。この1年の間に再びビワハヤヒデという強敵が出現し、さらにビワハヤヒデにも騎乗していた岡部がトウカイテイオーではなくビワハヤヒデを選択し、トウカイテイオーには去年同様、田原が騎乗する事となりました。

単勝9.4倍の4番人気。骨折休養明けで1年ぶりのレース、本来ならもっと人気はなくてもおかしくありませんでしたが、トウカイテイオーの人気が根強い事を証明し、レースを迎えました。

ビワハヤヒデが好位からレースを進める中、トウカイテイオーは中段からビワハヤヒデを見ながらレースを進め、直線に向かいました。直線に入るとトウカイテイオービワハヤヒデに並びかけ2頭のマッチレース。しかし残り200mでトウカイテイオーが交わすと、最後までビワハヤヒデの追撃を凌ぎ切り、1年ぶりのレースで奇跡の復活!騎乗した田原もレース後涙をこぼし、まだまだトウカイテイオーは健在である事を証明し、春に向けて休養に入りました。

春に向けて調整されていたトウカイテイオーでしたが、ここで4度目の骨折。そのままトウカイテイオーはターフを去り、種牡馬となる事となりました。体質が弱く骨折を繰り返し、惨敗したかと思えばその都度復活!しかしそのトウカイテイオーのドラマチックな戦跡は、多くのファンを魅了した事だけは間違いありません。



トウカイテイオー
生年月日 1988,4,20
性別
毛色 鹿毛
生産地 北海道新冠
生産者 長浜牧場
馬主 内村正則
調教師 松元省一
競争成績 12戦9勝
GT勝ち鞍 皐月賞・日本ダービー・ジャパンカップ・有馬記念
獲得賞金 625,633,500円

レース名 年月日 競馬場 人気 着順 騎手 距離 馬場 タイム 着差 1着(2着)馬
新馬 1990/12/1 中京 - 1 1 安田隆 T1800 不良 1.52.9 4馬身 (カラーガード)
シクラメンS 12/23 京都 OP 3 1 安田隆 T2000 2.03.8 2馬身 (イイデサターン)
若駒S 1991/1/19 京都 OP 1 1 安田隆 T2000 2.01.4 2.1/2馬身 (イイデサターン)
若葉S 3/17 中山 OP 1 1 安田隆 T2000 稍重 2.03.6 2馬身 (アサキチ)
皐月賞 4/14 中山 GT 1 1 安田隆 T2000 稍重 2.01.8 1馬身 (シャコーグレイド)
日本ダービー 5/26 東京 GT 1 1 安田隆 T2400 2.25.9 3馬身 (レオダーバン)
産経大阪杯 1992/4/5 阪神 GU 1 1 岡部 T2000 2.06.3 1.3/4馬身 (ゴールデンアワー)
天皇賞(春) 4/26 京都 GT 1 5 岡部 T3200 3.21.7 10馬身 メジロマックイーン
天皇賞(秋) 11/1 東京 GT 1 7 岡部 T2000 1.59.1 3馬身 レッツゴーターキン
ジャパンカップ 11/29 東京 GT 5 1 岡部 T2400 2.24.6 (ナチュラリズム)
有馬記念 12/27 中山 GT 1 11 田原 T2500 2.34.8 8馬身 メジロパーマー
有馬記念 1993/12/26 中山 GT 4 1 田原 T2500 2.30.9 1/2馬身 ビワハヤヒデ

シンボリルドルフ


1981 / 鹿毛
パーソロン

1960 / 鹿毛
Milesian My Babu
Oatflake
Paleo Pharis
Colonice
スイートルナ

1972 / 栗毛
スピードシンボリ Royal Challenger
スイートイン
Dance Time Palestine
Samaritaine
トウカイナチュラル


1982 / 鹿毛
ナイスダンサー

1969 / 黒鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Nice Princess Le Beau Prince
Happy Night
トウカイミドリ

1975 / 鹿毛
Faberge Princely Gift
Spring Offensive
トウカイクイン Atlantis
トツプリユウ


トウカイテイオー種牡馬成績 (代表産駒)
代表産駒 主な勝ち鞍等
トウカイポイント マイルチャンピオンシップ・中山記念
ヤマニンシュクル 阪神ジュベナイルフィリーズ
タイキポーラ マーメイドステークス
トウカイパルサー 愛知杯
ストロングブラッド カブトヤマ記念・さくらんぼ記念

トウカイテイオー兄弟 (代表兄弟)
兄弟 主な勝ち鞍等
トウカイティアラ(半姉) 忘れな草賞(2着)・カーネーションカップ(2着)
トウカイオーザ(半兄)  アルゼンチン共和国杯


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